プリフライトチェック──意外と機体下面の点検が大変、、、
駐機ポイントに出された機体は、まず前日までの機体の状況をFORM(整備記録)で確認し、前日に故障などがあった場合の修復状況や、燃料・酸素の補給状況、暦日による追加点検項目1がないかどうかなどを確認して、PRを行なう。
点検項目は技術指令書に定めてあり、現場で見ながらチェックできるように整備員各自がハンドブック2になっているものを携帯している。これはアラートで実施する場合も同じである。
各部の目視・触手点検をしつつ、必要な場合は燃料やオイル類(エンジンオイルを除く)、液体酸素を補給し、タイヤの空気圧を調整する。
スクリュー(ネジ)などはグラつく前でも緩んでくると見て分かる場合もあるし、グラついている場合は触れば分かる。また表面に薄いクラック(亀裂)などがあるときは、押して確認する場合もある。
点検は通常2人で行なうため、1人はコックピット(No.5機器室を含む)や機体上面、エンジンインテーク内、エンジン排気ノズル内(コックピットの点検はキャノピーとウィンドシールドの清掃も行なう)。そして、もう1人は下回り、といったように作業を分担して行なう。
分担が偏っているように見えるが、点検するためのアクセスドアはほぼすべて機体の下側にあり、足回りも含めて機体下面の点検項目の方が圧倒的に多いので、所要時間は下回りの方が多くかかるのが普通である。そのためクルーがもう1人追加になった場合は、下回りを2人で担当する。
先日F-2のキャノピー落下がニュースになったが、例えばキャノピーであれば、キャノピーの透明部分の傷や汚れがないか、キャノピーフレームの変形や傷がないか、キャノピーアクチュエーター(電動機部分)の漏れやヒンジ部分の緩み・破損がないか、キャノピーシール3に傷がないか、などの点検を行なう。
なおF-15の場合、PRで電源を入れて点検する項目はなく、基本的に電源車(起動車)を用意する必要はない。
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